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在宅医療開業日記 目次
1.在宅療養支援診療所で開業し、半年が過ぎた先生の1週間を日記風に実例を交えて解説します。
2.医療事務さんの1ヶ月の業務を日記風にポイントを交えて解説します。(続きを読む)
 
在宅医療開業日記〜在宅患者30人超えましたよ編〜 在宅療養支援診療所で開業し、半年が過ぎた先生(医師)の1週間を日記風に実例を交えて解説します。
 
月曜日 訪問に向かう車のなかで。
 
開業8ヶ月で在宅患者30名到達は、ほぼ事業計画通りで順調と言えます。患者増加の最大のポイントは、(先生の)真摯な患者対応であると思います。患者さんへの医療行為(処方や検査、処置など)をしっかり行うことに加えて、患者さんを取り巻く環境にも気を配ることが在宅医療においては大切です。患者家族やケアマネージャー、MSW(ケースワーカー)、看護師とのコミュニケーションを密にして行けば、その方達が新たな患者さんをご紹介してくれる形で患者増加に繋がっていきます。地域連携ができてくるころには患者さんやその家族の院長先生に対する安心感や信頼感も倍増していることでしょう。
「もう12月かぁ。開業してからはあっという間だったな。8ヶ月で患者さん30名か。月次損益も黒字化し、これであれば続けていけそうだ。経営難になってしまっては、患者さんにも迷惑を掛けることになるし、ここまでは順調だったな。」
     
 
火曜日 朝、訪問する前のひとこま。
 
1日7件の訪問の場合、1件当たり45分(診察に30分、移動に15分)で計算すると7件で315分、これに昼食休憩45分を加えると計360分(6時間)で当日の訪問業務が終了します。例えば、朝10時に最初の患者宅に訪問したら、16時ぐらいにクリニックに戻るスケジュールになります。診察時間に余裕もあり、訪問の空き枠もある状態だと思われます。
もちろん、移動時間や診療時間が短くなればそれだけ訪問件数を増やすことが出来ますが、1日10件程度を目処にしたほうが良いと思います。例えば日中に緊急訪問があった場合、それより後の訪問予定を全て後にずらすことになるので、若干余裕をもったスケジュールをお勧めします。
「院長先生、本日訪問する患者の準備は終わっています。今運転手さんが車をとりに行っています。」
「了解。午前が3件、午後が4件だね。今日は軽症患者さんが多いから戻りはいつも通り16時前後だと思うよ。」
「わかりました。行ってらっしゃい。」
「院長先生、用意できましたのでお願いします。」
     
 
水曜日 1件目が終わり次の患者宅に向かう道中で、クリニックから先生の携帯に電話。
 
緊急電話の対応というと、夜間の呼び出しをイメージしがちですが、日中の訪問診療中にも緊急電話はかかってきます。このクリニックでは、緊急電話を一般回線に設定しており日中はクリニックの事務員が受け答えをしています(夜間は、院長携帯に転送するように設定)。 患者さん宅(ご家族)から緊急電話を受ける場合、先方は普段の会話よりも早口で冷静さを欠いた話になることも多いため、緊急電話を受けた医療事務員の対応のポイントは次の3点です

1.院長から折り返し電話が入ることを、必ず伝える・・・緊急電話の内容はメモをとりながらしっかり聞くことは大切ですが、患者さんやそのご家族の一番の願いは、早く先生と直接話したいことが多いということを、念頭に置いて下さい。

2.院長先生に電話して用件を伝える。診察中などで留守電の場合は、必ず患者宅の連絡先、電話してきた相手(家族)と状況説明の3点を簡潔にメッセージに残す・・・その後、携帯にメールを入れるとなお良いと思います。

3.その後の定期訪問の患者宅にすぐに連絡出来るよう準備しておく・・・
医療事務員の電話対応は、クリニックの印象を左右する重要な要素なので、日頃から緊急電話の対応について院内で話し合っておくことをお勧めします。
「はい、もしもし。」
「先生、お疲れ様です。先程、高橋さんのご家族から電話があり、御本人様が苦しそうにしているのですぐに来て欲しいと連絡を受けました。」
「了解。高橋さん宅の電話番号を教えて下さい。」
「03-1234-5678だね。こちらから電話して状況を確認してみるよ。高橋さんだから恐らく訪問ルートを変更して急行するようになると思うので2件目の鈴木さん以降の患者さんには、予定より30分程度遅れる電話連絡をする準備をしておいて下さい。高橋さんとの電話が終わったらまたクリニックに電話します。」
「了解しました。」
     
 
木曜日 休診日のクリニックで。
 
新規患者の訪問スケジュールについて、院長先生と医療事務員が相談しているところです。
可能な限り患者さんや家族の希望に沿うよう努力することが大切ですが、新規の依頼があった時点で、ある程度院内で訪問スケジュールを組み立てておくことがポイントです。医療事務員が訪問ルート(スケジュール)の作成や調整が出来るようになると、院長先生の業務の負荷が軽減します。また、初回訪問に必要な書類の準備も事務方に行ってもらえると、さらに院長先生が訪問診療に集中出来やすくなります。
「先生、今日の新規受け入れの太田さんは○○病院さんからの紹介です。既に書類(情報提供書、看護サマリーなど)の準備は出来ています。」
「了解。ところで、太田さんの訪問スケジュールは、いつの枠が空いているのかな?」
「太田さんは、△△3丁目5−7なので火曜日の最後の訪問に追加すると訪問ルート的に楽だと思います。あとは金曜午後の佐藤さんと田中さんの間も良いのではないでしょうか?その場合、田中さん以降の患者さんには1時間程度、訪問時間が遅くなることをお願いする調整が必要になりますが。」
「了解。太田さんと話をして決めてくるよ。あと今日の予定はこの新患の受け入れだけなので、午後は早帰りします。今日は、子供の水泳教室の見学に行こうと思っているので。それでは、行ってきます。」
     
 
金曜日 予定の6件の訪問が終わりクリニックに帰院して。
 
外来診療と違って日々の金銭授受がない在宅医療の場合、会計入力は翌日に行っても運用上問題はないと思います。

一ヶ月ごとにレセプト作成を行うときの注意点の1つは、【在宅】で算定出来なくなってしまったケースです。月2回訪問の患者さんの場合、何らかの事情で訪問がキャンセルになり、結果的に月1回となってしまう場合がありますが、在医総管の算定が出来ない為、点数が大きく変わってきます。従って、医療事務員は、訪問予定をキャンセルした方をチェックし、月末前には先生に報告しておくことをお勧めします。患者さんに翌月の訪問予定表を渡す時に「御都合の悪い場合は振替訪問も可能」である旨を伝えておくのも良い方法です。

また、訪問看護ステーションからの新規患者の受け入れポイントとしては、必要書類(看護サマリー等)を事前にFAX(若しくはコピーを郵送)でもらっておき、初回訪問はなるだけ訪問看護ステーションの看護師同席で、診療を行うと良いと思います。コミュニケーションを強めていく最初ですし、患者さんやご家族の安心感も高まります。
「ただいま戻りました。」
「お帰りなさい。」
「レセはどんな感じかな。もう、終わったかい?」
「はい、レセコンにも慣れてきたので、最近はレセプト作成も早く出来るようになりました。これから総括ですが、1件今週月曜日の患者さんのカルテで教えて欲しい処があります。それ以外は大丈夫です。」
「了解。」
「それと今日の午後、□□訪問看護ステーションから1件、新規患者の紹介がありました。受け入れは、来週の水曜日の1番目で良いですか?」
「OK。それで□□訪問看護ステーションと調整してもらえるかな。」
     
 
土曜日 自宅でゆっくりしながら、先生の独り言。
 
夜間の緊急電話を減らすためには、患者さんとのコミュニケーションを積み重ねていき、安心と信頼を得ていくことがポイントです。例えば、家族が話を聞いて欲しいタイプの場合、診察よりも面談に時間をとることも必要だと思いますし、末期がんの方には、状態が安定している時から、訪問のない日も適度に電話をしてフォローをすることも大切なことではないでしょうか。このような真摯な対応の積み重ねによって、日々の訪問診療により集中できる環境が出来ていくのではないかと思います。

とは言え、実際に在宅クリニック(在宅療養支援診療所)を運営するとなるとスタッフの手配や車の運転、介護事業者との連携など診療行為以外の業務も発生し、かつ疎かにできないものばかりです。

当社は、【院長先生が訪問診療に集中出来る環境をいかに作るか】をポイントに、様々なクリニックの支援を行って参りました。開業時の物件選定から事業計画書の作成、集患業務のコンサル(請負)まで幅広く業務支援を行っております。 なお、当社主催のセミナーでは、開業成功事例や在宅点数の説明といったクリニック開業・運営のノウハウを凝縮してお伝えしております。御興味のある方はお気軽にご参加下さい。
「夜間の緊急電話は2週間に1回程度で、緊急出動は開業してから3回か。患者さんが増えてくれば、もう少し回数が増えるかもしれないけれど、何とか無理なく続けていけるペースだな。計画通りに患者数が推移しているので、資金も案外少なくて済んだし、エムイーネットさんにお願いして正解だったな。」
     
 
 
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